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砂漠化対策の歴史
世界の乾燥地域における砂漠化の防止、特にアフリカにおける砂漠化防止については、1977年にナイロビで行われた国連砂漠化会議(United Nations Conference on Desertification)以来、さまざまな対策プロジェクトが実施されてきたが、防止対策の成功例は少なかった。こうした解決困難な砂漠化問題に対して、国連は1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミット(国連環境開発会議(UNCED))で採択された「アジェンダ21」第12章の行動計画に基づいて、1994年に砂漠化対処条約(深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約(United Nations Convention to Combat Desertification in Those Countries Experiencing Serious Drought and/or Desertification, Particularly in Africa; UNCCD)を制定した(1996年12月26日発効)。この条約には、砂漠化と干ばつの影響を受けている発展途上国が、それらの防止のための国家行動計画(National Action Programme; NAP)を策定することと、その実施を先進国や国際機関が支援するための法的枠組みが定められている。
概要
「砂漠化」とは、乾燥地域、半乾燥地域及び乾燥半湿潤地域における気候変動と人間活動などさまざまな要因によって起こる土地の劣化をいう。
土地の劣化とは、降雨依存農地、灌漑農地、または放牧地、牧草地、森林、疎開林の生物学的又は経済的な生産性及び複雑性が減少し又は損失することをいい、次のようなものをいう。
- 風又は水による土壌の侵食
- 土壌の物理的、化学的及び生物学的特質又は経済的特質の悪化
- 長期的な自然の植生の喪失
砂漠化は、気候的要因(自然的要因)と人為的要因のどちらか一方によって起こるものではなく、その両者があいまって、引き起こすと考えられている。しかし、人為的要因が加わったことにより、砂漠化が大きく加速しているというのは事実であり、その人為的要因を取り除くことが砂漠化を食い止めることにつながる。気候的要因・人為的要因に関わらず、砂漠化の原因となる現象は、植生の減少・土壌浸食の増大・表層土壌への塩類集積などである。
砂漠化の気候的要因
まず、砂漠化の気候的要因として挙げられるのは、異常気象などに起因する渇水による干ばつのために植物が育たなくなるということである。渇水とは、長い期間、日照りが続いて、雨が降らないために、水が欠乏すること。干ばつとは、渇水により、植物が育たなくなることおよび、農作物が枯死することをいう。
また、干ばつ以外の要因としては、大雨による影響がある。乾燥地では、大雨による土壌の侵食が容易に起こるため、砂漠化を進行させる要因として考える必要がある。
砂漠化の人為的要因
砂漠化の人為的要因としては、過放牧・過開墾や降雨依存型農業・乾燥地における灌漑農業など農業や牧畜分野からの影響が第一に挙げられる。それでは、この3項目についてひとつずつ見ていくことにする。
- 過放牧
家畜による植物の消費量が植物の成長量を超えると過放牧の状態となり、植生が破壊され地表面を裸地化させる。そうなると、家畜は植物の根まで文字通り根こそぎ食べてしまうので、さらに植物の再生が難しくなり、砂漠化へとつながっている。
- 過開墾・降雨依存型農業(ドライファーミング)
降雨依存型農業は、自然の降雨に依存する農法である。したがって、土壌中の乏しい水分を利用して耕作が行われるため、休耕期間中に風食や水食といって土壌浸食が起こりやすい。また、休耕期間を短縮した場合は、水分が不足し、不作になることが多い。さらに、貧困などを理由に、不適地に換金作物を栽培するなどして土地が酷使されると、土地の劣化につながる。
- 乾燥地における灌漑農業(オアシス農業)
乾燥地における灌漑農業は、生産性が高く、しかも生産も安定しているので、今後開発が進むと考えられる。しかし、連続的な灌漑による地下水の上昇により、地中の無機塩類が水に溶け、さらに毛細管現象によって上方に運ばれるので、地表面近くの土壌の塩分濃度が高まり、表層土壌の塩類集積をもたらす。この灌漑農業には、適切な水管理が不可欠であり、そうでないと、水資源の枯渇と土壌の塩類化が引き起こすことになる。
他の人為的要因としては、都市化・工業化や観光開発などが挙げられる。また、戦争や紛争による土壌の荒廃なども無視できない。
砂漠化の影響
砂漠化の影響を受けている人々は約10億人といわれている。これは、12億人以上といわれる全世界の絶対貧困者数や8億人以上といわれる栄養不良者数にも匹敵する。砂漠化の影響を受けている人々は、砂漠化している地域の人口から求めたものであり、必ずしも砂漠化の被害を受けた人々を数えたものではない。しかし、砂漠化地域と、貧困地域や栄養不良者の多い地域とには高い相関があり、ほとんどの地域で、貧困と砂漠化の問題は悪循環をなしていると考えられる。
砂漠化の影響として、第一に考えなくてはならないのは、土地の劣化により耕地面積として使えなくなるということである。耕地面積の減少は、もちろん農作物収穫量の減少へとつながっていく。
過放牧や過開墾・灌漑農業などが砂漠化の人為的原因であると前述したが、それらの背景には「貧困」という大きな問題が根源となっている。また、この砂漠化の進行により、農業による収入を減らすことになり、再び貧困の加速につながるという悪循環を形成してしまっている。また、砂漠化した地域で生活できなくなった場合には、土地を捨て、都市部への移住を余儀なくされることが予想される。その場合、都市部への人口集中や難民の増加などにより都市のスラム化といった問題も巻き起こし、疾病が蔓延することが心配される。
このほかの影響としては、植生の変化により動植物の生息地が消失し、生物多様性の減少へも影響を与える。また、砂漠化により荒廃した地表面はダスト発生の原因となり、降雨パターンの変化・乾燥化・干ばつの頻発化などの地域気候の変化や洪水の増加などをもたらす。」そうすると、水循環や熱バランスへ大きな影響を与えることが考えられ、異常気象の原因にもつながる。


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